「登美粋」で鯨料理を味わい尽くす

食べるの大好き、和食大好きな女子大生がリレー形式でお届けしている「築地グルメリポート」も今回が6回目。今回のレポートは、青山学院大学大学院 理工学研究科理工学専攻2年の私、大沼朝未がお届けします。

私自身これまで築地は来たことがなく未開拓の地でした。初めての築地訪問、朝からとってもワクワクしています♪
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ただ食べるのは得意でも(笑)、書くのは大丈夫かなあ?と一抹の不安が。。。

そこで今回盛り上げてくれる、私の強い味方がこちら! ジャジャーン!!
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目を開けるのも眩しいくらいの、ステキ女子が大集合。そうです。今回はこのメンバーで「築地女子会」を開催しようという趣向なんです!

そして、そのテーマはなんと「鯨」。女子大生と鯨では、少し組合せに違和感があるように思われるかもしれませんが、だからこそ面白そうじゃないですか?集まったみんなは和食大好きな子ばかりですが、実は鯨にはそんなに馴染みが無いようです。私も含め「鯨は初めて」という子がほとんどでした。

捕鯨制限の強化など逆風はありますが、日本の貴重な食文化の一つでもある鯨料理を、みんなで味わい、楽しみ、新たな味覚の発見の機会になればと思っています。
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師走のごった返す雑踏の中をかき分け、向かった先はこちら。場外市場にある「登美粋(とみすい)」さんです。
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「鯨の登美粋」 (東京都中央区築地4-10-17)
 オフィシャルホームページ  食べログ
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鯨一筋30年の仲買人さんが数年前にオープンしたお店だそうで、店頭では、鯨カツや立田揚げ、さらには鯨アイスなどが、食べ歩き用に販売されており
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中では食事もできるようになっており、今回はそのスペースを貸切って開催させていただきました。
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はじめに登美粋の代表、松本さんから今回いただく鯨についてお話をいただきました。

日本は昔から鯨を食す文化があり、マグロやアジなど他の魚介と同じように漁獲されていました。しかし1982年に国際捕鯨委員会(IWC)により商業捕鯨モラトリアムが採決されて以降、日本は調査捕鯨というかたちで海洋生物の生態系調査のため鯨を捕獲しています。最近では高度な技術で体内の隅々まで調査し生態系や水質に関する良質なデータを収集したあと、残ったお肉をおいしくいただくことで子供達の食育につなげているそうです。
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昔から「高タンパク質・低カロリー・鉄分豊富」として重宝されてきたクジラにはアンチエイジング、疲労回復、持久力向上など様々な生体機能が期待できます。例えば、生活習慣病の予防や脳の活性化につながる「オメガ3脂肪酸」、関節痛に効く「コンドロイチン」、肌のハリとうるおいを保つ「コラーゲン」などが存在するとのこと。

中でも最近注目度が高まっている、クジラ肉に多く含まれるアミノ酸「バレニン」。高い抗疲労作用や傷の治癒促進性などを持ち、スポーツ界では話題の生体物質だそうです。松本さんの日々の元気さも「クジラのお陰です」と笑顔で仰っていました。

鯨は私たちにはもったいない程たくさんのギフトをくれる貴重な資源であることを学びました。
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さて!いよいよ始まる「鯨女子会」ですが、食前酒には贅沢すぎる(?!)伊澤優花ちゃんがご実家(仙台伊達家御用蔵「勝山」)の酒蔵で製造している超高級日本酒「勝山 暁」をもってきてくれました!
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遠心分離機を用いた特殊精製方法でしぼり抽出された「暁」は、飲んだあと身体にスーっとしみ渡る繊細な喉ごしでとっても上品なお味でした。お酒が少し苦手だった私でも美味しくいただくことができました。ありがとう優花ちゃん!

乾杯の後、さっそくお料理が出てきました!
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○一品目・・・こちら名前がオバケ。尾羽化と書きます。女性にはうれしいコラーゲン豊富な鯨の背びれの部位です(さらし鯨とも言います)。からし味噌がアクセントで軟骨のようなコリコリした歯ごたえでした。
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○二品目・・・鯨のお刺身とねぎとろです。登美粋自慢はなんといっても鮮度と質。「ニンニクなどで臭みをごまかす必要もないから」と、香り豊かなしょうがと一緒に。皮のすぐ下につく脂「本皮」と一緒に巻いて食べます。一方ねぎとろは、わさびがオススメだそうです。

赤身部位が多いので血臭くないか心配でしたが、口に含んだあとの鯨特有の臭みはほとんど無く、マグロと牛肉の中間のような不思議な感じ…おお、これが哺乳類の味なのか!(笑)舌に残る濃厚な脂の風味が新鮮でした。鮮度が良いからかお皿の上でツヤツヤ輝いていました。
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○三品目・・・鯨料理で人気の立田揚げです。テーブルに置いてあるピンクの岩塩をつけていただきます。給食で食べたこともある子がいたみたいですが、「断然違う!」と美味しそうにパクパク食べていました。
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○四品目・・・お店前の屋台でも販売していた鯨カツ。食べ歩きにピッタリで人気だそうです。秘伝のソースをたっぷりつけて豪快にパクリ。(二度付け禁止!笑)
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やはり鯨そのままの味が濃厚なので、一瞬メンチカツと間違えるほど食べ応えがあり、白米が欲しくなる一品でした。

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ここで本日参加してくれた、美人でアクティブな12名の素敵女子をご紹介します。
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東京大学薬学部を卒業し、現在薬剤師として勤務中の優美子ちゃん(左)と
早稲田大学の学生かつ、ブリュレフレンチトースト専門店「ForuCafe」オーナーの幸奈ちゃん
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東京大学経済学部3年で、学生日本酒協会代表の優花ちゃん(左)と
立教大学の学生かつ、株式会社テーブルクロスというベンチャーの社長でもある薫ちゃん
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早稲田大学院生であり、理系女子の代表的な存在として多彩な活動をしてきた磨理ちゃん(左)と
ミス慶應SFC2013グランプリ、そして現在お天気キャスターもしている佳織ちゃん
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慶應義塾大学2年で、manmaの代表などさまざまな社会活動を展開している日南恵ちゃん(左)と
お茶の水女子大3年で、理系女子大生コミュニティ凛の代表である安海ちゃん
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今回唯一の高校生ながら、「Sakiiro」編集長として今回の参加者とも親交深い咲希ちゃん(左)と
お茶の水女子大3年で、manmaやリディラバなどの活動を通じて社会起業を目指す春花ちゃん
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まだ早稲田大学1年生ながら、英会話×多文化教室「Culmony」を運営している直美ちゃん(左)
そして講談社「リケジョ」リーダーなど、理系女子のための広報活動を行っている、私。

途中、参加のみなさんから自己紹介もいただきましたが、びっくりするほど、日々アグレッシブに多方面で活躍している方ばかりで、圧倒されます。
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鯨を楽しむだけでなく、こうやって同世代の頑張っている女性たちと、交流できるのも非常に刺激になり、貴重な機会になりました。

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さてさて、再びお料理に戻ります。
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○五品目・・・松本さんが一段と力を入れてご紹介していた登美粋自慢の畝須(うねす)ベーコン。市場に出回る脂でかさ増しされたベーコンとは異なり、畝須(下あごから腹部にかけての縦すじがある部分の脂肪部分)のみで作られているそうです。イギリス産の岩塩と一緒にいただきます。薄くてもしっかり歯ごたえがあり、いつまでも深い風味が残る脂がとても美味しかったです。私は個人的に一番好きでした。
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○六品目・・・新鮮だからこそ提供できる鯨のレバ刺し。鮮度が落ちると一気に臭みが増すため市場でも滅多に出会えない貴重な一品だそうで、こちらもシベリア産の岩塩とわさびでいただきます。口の中ですぐにとろけて濃厚なレバーの旨味が広がります。鼻に抜ける臭みもほとんど無く、わさびがちょうど良いアクセントになっていました。後引く一品です。

ここでお待ちかね、本日メインの鯨の尾の身刺が登場!とりあえずみんなカメラでパシャパシャ。「こんな美人さん達に撮ってもらえて、鯨も喜んでるよ!」と松本さん(笑)
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一度ブロックの状態で見せていただいた後、このように刺身にしていただきます。
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○七品目・・・グルメ漫画「美味しんぼ」の主人公 山岡士郎 の父親であり、稀代の食通の海原雄山 が「この世で一番美味しい刺身」と賞した鯨の尾の身刺。

まるで高級和牛のようにきめ細やかな赤身と脂がキラキラ輝いております。一口含んだ瞬間、濃厚な鯨肉の旨味が広がり、少量の岩塩により後から上質な脂の旨味がじんわりと伝わってきます。とにかく臭みがなく、獣肉の濃厚さと魚脂の旨味が一度に味わえる絶品。海の王様クジラは、お刺身にしても王様級の美味でした!

そして何と「鯨女子会」の終わりには、千葉佳織ちゃんから美しい音色のサプライズプレゼント。
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6歳からバイオリンを続けている彼女は、この日もコンサートの前に参加してくれました。「本日はとっても美味しい鯨料理ありがとうございました。」と、それまでの笑顔から一変して真剣な演奏家の顔つきで「情熱大陸」を、即興で「カノン」「ジングルベル」を弾いてくれました!
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築地場外市場内でのバイオリン。。。きっとこんな機会一生無いと思い、目と耳にしっかり焼き付けておきました(笑)。美味しいお料理に、優雅な音楽。何て贅沢な時間でしょう。佳織ちゃん、素敵な演奏をありがとう!
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鯨女子会の締めは磨理ちゃんから。「初めての鯨、今まで味わったことの無い不思議な美味しさでした。今日学んだことを周りの友達や家族にシェアしましょう。それから絶対また来ようね!」
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最後にみんなで記念撮影。クジラ店長と松本さんもご一緒に♪

今回初めての築地で、ほっぺたがとろけるくらいの美味しい鯨料理をいただきました。家にかえった後も口の中に広がる鯨肉の旨味がじんわり思い出されます。ああ、忘れられないこの味。登美粋で一度味わってしまったのできっと他では食べられないです。残念です(笑)今度プライベートでこっそり行きます!

参加者の他のみなさんからも感想をいただいているので、少しご紹介します。

○鯨…どんな味かわからなくて、ひとりでは絶対に食べに行く勇気がありませんでした。でも今回お声かけいただいて「みんなで食べられるなら貴重な冒険の機会だ!」と思って参加しました。鯨とっても美味しかったです!今まで気づくことのできなかった日本食の新たな魅力に触れることができてとても嬉しかったです!また普段ご活躍されているメンバーのみなさんにお会いできてとても刺激を受けました(^^) (佳織)

○朝から美味しい哺乳類と、美味しいお酒に囲まれて私は幸せです。今日のメインがクジラだったこともあり、皆さんとのおしゃべり以上に食べることに集中してしまいました。あれだけたくさんの部位を食べたのは初めてだったのですが、今日を期に虜になりました。おすすめは塩をちょっとだけ付けて食べること。鯨の食レポを文字で表現すると、 鯨ベーコンの歯応えがたまらない。 鯨の臭みがなく食べやすい。 鯨のたたきは口の中でとける。そんな感じでしょうか。あまり語彙力が無いのが申し訳ないのですが(薫)

○鯨料理について、味はもちろん、知識や思いをみんなで味わいながら食べるというのは最高ですね。そして、様々な方面で大活躍されている女子大生の皆さんとご一緒できて本当に幸せでした!楽しく素敵な時間を有難うございました。また皆さんとお話したいです(優美子)
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○国際的に色々言われている鯨ですが、仲卸や流通、研修に携わる人の熱い思いや真摯な姿勢が国際的にもっと認められるといいなと思いました! 鯨ベーコンほんとおいしかった〜〜!こうしてちょくちょく集まれるのは嬉しいです^ ^またほくほくした会にぜひ呼んでください^ ^(春花)

○くじらは給食以来たべていませんでしたが、その間くじらとの関係はニュースでたまに聞くくらいでした(しかもネガティブイメージ) 。今日のくじら会によって、私のくじらイメージが360度回転!したら戻っちゃうので180度変わりました! 日本が担う捕鯨の役割を知れて良かったです!検索してみます。 気づかないところにある日本のスゴイところを広報できたらいいですね!日本食大好き!今日はキラキラしたみなさまに会えて(しかもたくさん!)、おいしいごはんまで食べれて幸せでした!(安海)
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○素敵な皆さんと最高に美味しい鯨料理が食べられて幸せでした。 日本の料理っていいですね♡美味しいだけじゃなくて健康にも良い鯨。また食べに行きたいと思いました。(咲希)

そして最後に私から

師走の週末でお忙しいなか、鯨の魅力を丁寧に分かりやすく説明をしてくださった松本さん、愛情たっぷりの美味しい鯨料理をくださった登美粋の皆さま、本当にありがとうございました。女子会を代表してお礼を述べさせていただきます。

また是非お伺いさせてください!ごちそうさまでした!


































































































































■今回のレポーター

○大沼 朝未(青山学院大学大学院 理工学研究科理工学専攻2年)
「彩才兼備」インタビューはこちら






READ  「THE FIRST COMPANY」週刊ダイヤモンド2017年11月25日号掲載

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