2013年11月、1か月間の長期にわたり都内さまざまな場所で数多くのイベントを実施してきた、農林水産省主催の「食と農林漁業の祭典JAPAN」
11/15-17には、渋谷ヒカリエを会場に「食の絆サミット2013」が開催されたが、その一つの目玉企画として、食と農林漁業に関わる取組を行っている大学生グループによる活動発表コンテスト「食と農林漁業大学生アワード 2013」が行われた。
このコンテストでは、「食」と「農林漁業」を通じた「地域」の再生に向けた取組について、次世代を担う大学生のグループが発表し、最も優れた取組を行う大学生グループには農林水産大臣賞が授与されるものとなっており、今回は全国から11団体(1団体途中辞退)がノミネートされ、11/17に最終プレゼンそしてグランプリ(農林水産大臣賞)が発表された。
「大学生の食生活をよくしたい」というコンセプトのもと、大学生を対象とした農作業体験イベントや大学内で一人一品おかずを持ち寄る「お弁当の日」の開催、子供が収穫・販売等を体験する「キッズファーマープロジェクト」の実施など、若者向け食育を実施。
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「今、自分達がアクションを起こす」という理念のもと、日本農業のシステム変革を目指したプロジェクトを毎年ゼロから創出。今年度は、乳製品のフードチェーンをたどるイベント、都心の保育園児に対する食農教育、農業を題材とした小説の著書と大学生のトークイベント等を実施。
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地域の特産物を活かした加工品の開発を通じて地域活性化を図るため、研究分野での技術を活用し、商品開発を実施。サークルや学科横断的なグループを形成し、各種コンテストに参加。
「若者の日本酒離れ」に着目し、日本の伝統的食文化の一つである日本酒の味や食文化をより多くの学生に興味関心を持ってもらうために活動。酒蔵や卸売業者などを招いてのセミナー、酒蔵ツーリズムの開催、日本酒を利用した美容イベントなど、多角的なイベントを実施。
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「復旧から復興へ、そして地域おこしまで」をコンセプトに、被災農家の営農再開支援、遊休地を活用した野菜づくり、被災農家の収穫物の朝一での販売など幅広い取組で全国の大学生を巻き込み、復興を支援し地域活性化をサポート。
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「食料廃棄を削減するための意識・行動変革」をテーマに掲げ、カフェや料理教室における規格外食材の活用、リメイク(余った料理の再利用)レシピ紹介を通じて一般大学生に向けて食料排気削減を啓発。
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限界集落を定期的に訪れ、集落の再興を目指し、地元特産の豆を活用した甘納豆等の商品開発、日曜市における集落の収穫物や甘納豆などの販売を行い、地域の魅力を発信。集落との関わりも深く、集落住民の地域づくり参画へ貢献。
「科学を使った食育」という新しいアプローチの食育を展開。理学、農学、栄養学など幅広い分野の専門的な知見を融合させ、親子参加形式による、科学実験を通じた食育のワークショップを実施。
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「食と農をつなぐ架け橋になること」を目標に、九州における大学生と農業との関わりを促進。大学における学生発案型授業「いのちの授業」で学生と農家の語り合いの場を創出するとともに、九州の学生団体でグループワークを開催し、九州地域の学生団体間の交流を促進。
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「岡山における学生地域ベンチャーの確立」を目的に掲げ、農作業補助や出荷、地元大学生や留学生に対する農業体験を実施。「農業ベンチャー」をキーワードに掲げ、地域の住民とともに幅広い活動を行い、地域の活性化に寄与。
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「十勝の農業の魅力発信」を掲げ、一大農業生産地である十勝で、ちいいきの生産者、企業、アーティスト等と連携し、地域活性化の取組。十勝の小麦を使用した食パンでのトーストアートの作成によるギネス語録認定や地域の小麦の収穫祭の企画・運営などを行う。
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日頃若者の挑戦というと、ITベンチャーなどの起業志向の学生がクローズアップされることが多いが、もっと生活の根幹である食や農業や地域にスポットを当てて、地道な活動を続けている人が少なくないことを知ることができたのが、このイベントに参加して良かったと感じた大きな収穫だった。
食品偽装問題、中国の食品の安全性や原発の放射能、そして水産資源の劇的減少など、多くのメディアで食の問題が取り上げられる機会が年々拡大し、安心安全な供給が非常に心もとなくなってきていることに大きな懸念や不安を感じている人は多いはずだ。
だからこそ、人間が生きる上で何よりも重要な要素である「食」の世界が、これからも信頼たるものであり続けるためには、こういった若い世代が注目し、興味を持ち、革新を目指す世界になるべきだと期待している。そしてその発信力を高め、より大きな社会を巻きこんでいってもらえたらと思う。
また今回の開催は、主催者である農林水産省とともに「いろり」という学生団体が、全面的に進行を管理していたのも注目点だ。この団体は、全国に多数ある食や農業に関する学生の団体をネットワークしているもので、昨年発足したばかりでありながら、今回このような大きな大会の運営をつかさどっているということで、これからのますますの活躍を期待したい。
審査の結果、今年の栄えあるグランプリ(農林水産大臣賞)に選ばれたのは、東京の学生日本酒協会さんでした。おめでとうございます!!また後日その取り組みなどを詳しくお聞きし、当サイトで紹介する予定となっています。