移転まで残り2年!「築地の朝を食べつくそう」プレ版

こんにちは!皆さんここがどこだか分かりますか?そう、築地です。時刻は朝の7時を少し回った頃。こんな笑顔を作るのも正直しんどい時間帯なのでございます。

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築地といえば、新鮮な食材や老舗のお惣菜、そして珍しい台所用品などが手に入る場所として、長い間私達の慣れ親しんだ町でした。私もかなり小さい頃から母親に手を引かれ、築地の地をよく訪れていたのを覚えています。ですが、今は築地移転の話が進んでいますよね。日本の伝統文化継承に重要な役割を果たしてきたこの築地市場もあと二年したらなくなってしまう。その前に何かできることはないかしら・・・そうだ、築地があるうちにその素晴らしさを身に感じて覚えておこう!

そこで私、松井映梨加が、築地の美味しいを食べ尽くし、皆さんにも共有していけたらと思っています。ちょうどつい先日、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。東京オリンピックの開催も決まりました。日本の食文化への関心は、ますます高まっていくでしょう!ですからこの連載を通して、築地の魅力(主に食!笑)を皆さんにお届けしていきます。

さあこれからどんな美味しい!に出会えるのでしょうか?

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・・・と、その前に、まずは波除稲荷(なみよけいなり)神社を訪問。ここは築地市場の守り神。
「美味しいものが食べられますように!!」と強く願をかけます

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記念すべき第一回目のお店は、私がずっとず~っと来たいと思っていたお店「高はし」です。お刺身などの他に煮付け定食やアナゴ丼が味わえます。あんこう料理でも有名ですよね!

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「高はし」 / 中央区築地5-2-1 築地市場 8号館 [食べログ]

かなり有名な店で、私たちが来た頃にはもうすでに多くの人が並んでいました。
ここで気になる看板を発見。

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なるほど、並び方にもルールがあるみたい。4人一列に並ぶってこれから何かのアトラクションに乗るのかしら。この特別な感じにこの後味わうことになる高はしへの期待が高まります。周りはというと、暇つぶしの小説を持ってきて読んでいたり、いかにも高はし慣れしているって感じの人ばかり。

そんなこんなで、20分くらい待ってやっと入ることができました。太っ腹なことにスーパー穴子丼とキンキの煮付けをオーダー。キンキと穴子を一度に、こんな私がいただいて良いのかしら。いや、ここはちゃっかり食い意地を張っておきましょう。注文を受けてから煮付け始めるため、またしばらくのお預け。待っているあいだにお店の方とちょっとだけお話をしました。

ここでは常連になればなるほど高価なメニューをオーダーする人が多いそうな。確かに、この日はいかにも常連という方が多かったけれど、キンキが出るわ出るわ。一度にこんなにキンキをお目にかかれてなんだかご利益ありそう。ちなみに、常連さんの中には一日に二回も訪れる方もいるのだとか!

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そうこうしているうちにまず、スーパー穴子丼(2100円)が到着。スーパー穴子丼って普通の穴子丼と違って二段構造になってるんです。だから、スーパー。わたしのテンションも一気にすーぱー。ということで一口いただきます。

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あ、溶けました。早すぎて確認できず。
骨あるのかなっていうくらいふわっふわで柔らかいです。もう一度言うと口の中で溶けます。煮た穴子の優しい味わいにわさびのピリッとしたアクセントが効いていて、お見事です。味付け自体が割とさっぱり目なので、脂が乗った穴子でもぱくぱくいけちゃいます。タレがついたご飯もこれまた美味しい。穴子丼の素晴らしさって、あのグロテスクな見た目から想像もつかないような優しく柔らかい平和に満ちた味わいを提供してくれるところにあるんじゃないかな。まさにツンデレの極みな気がします。

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そしてお待ちかねのキンキ様がやってきました。なんですかこの貫禄。というより何よりキンキ様が持つ赤とネギの緑、そしてお皿の淵の青の絶妙な色加減に感動してしまいました。和食の素晴らしさってこういうところですよね、お魚とネギというたった二種類の食材で、ここまで美を表現できるところに驚きですーなんてこの時は考えている余裕もなく、キンキ様をつつきます。

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なるほど、一口目に頂いたところは脂が乗っていて、二口目はすごく身がしまっていて…食べるたびに新たな発見!特に身のしまっているところは、弾力があるという感じ。新鮮な魚が手に入るからこそ築地だからこそ味わえる食感でした。

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さてさて、ずいぶんお腹も満たされましたが、何せ築地を食べ尽くすのが今回の目的。一軒だけで終わらせる訳にはいきません。と次にやってきたのは、鳥藤。

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鳥めし 鳥藤(とりとう) 場内店 / 中央区築地5-2-1 築地市場 8号館 [食べログ]

ここでは、親子丼をはじめとする鳥料理をたべることができます。なんといっても特筆すべきはメニューの豊富さ!

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親子丼だけでも、普通の親子丼から塩味の親子丼、そしてカモを使った親子丼まで、6種類以上はあります。ほかにも水炊きセットや、ぼんじり丼、シンガポール風チキンライスなどちょっと変わったメニューまで。お持ち帰りメニューも豊富で、鶏鍋セットなんかも有名です。何でもここは昔からあるお店ながら日々進化して、新しいメニューを提供し続けているのだそう。だからリピーターになるお客さんも多いんですね。

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ここで、注文したのはかも塩親子丼と塩親子丼二号です。まず、親子丼には普通の鳥を使った親子丼と、鴨を使った親子丼とがあり、その中でタレ、塩、塩二号という三種の味があります。普通の塩は柚子胡椒ベースの味付けで、塩二号は魚粉ベースの味付けになっています。ということで、今回は柚子胡椒ベースの「合鴨づくししお親子丼」(1000円)、魚粉ベースの「親子丼しお2号」(800円)を食べ比べてみることに。

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しばらくしてやってきました。なんですか、この繊細な見た目は。白と黄色の絶妙な玉子のヴェールの中に鳥が見え隠れしています。

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早速、「かも塩親子丼」からいただきます。今までの親子丼の概念をことごとく覆されました。親子丼といえば甘辛いあの味を、想像する方多いと思いますが、塩親子丼は本当にさっぱりという感じ。全く嫌味がありません。もう純真無垢です。そこにピリッとした柚子胡椒のアクセントがなんともいえず全体を引き締めます。また、カモの親子丼は初めてたべましたが、すごく歯ごたえがあり、噛めば噛むほど味がでます。玉子の火加減も最高で、するっするっと喉を通っていきます。

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そして、鶏を使った「塩親子二号」もお味見します。こちらは食べた瞬間に魚粉の香りが広がり、あっさりとした中にもしっかりと魚粉の風味がすうっと鼻に抜けるという感じ。また一度鳥を炙っているらしく、香ばしさがより引き立っていました。

本当に親子丼ってシンプルな見た目からは想像もつかないほど奥深い世界を持ってるんですね。いや、むしろそれを引き出すことができるのが鳥藤さんのすごさなのかも。私はこの鳥藤ワールドに完全に夢中になってしまいました。今度はまた違うメニューも試さなくては!

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もう十二分にお腹いっぱいでしたが、帰る間際にふと目に入った「茂助だんご」の文字。甘味は別腹ということでデザートをこちらでいただくことにしました。ここはあんこやしょうゆ味のお団子、あんみつが有名で、お雑煮なんかも店内で食べることができます。オーダーしたのは「あんみつ」(450円)と「おしるこ(こし餡)」(450円)。

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まずはあんみつから。歯ごたえのある寒天が蜜と絡み合ってなんともいえません。時々感じるしょっぱくてくしゅっとした食感の豆が、あんみつ全体のバランスを整えてくれます。そしてなんといっても甘過ぎないあっさりしたあんこが素晴らしい。スッと喉を通っていきほのかに小豆の香りを残します。

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お汁粉も一口いただきましたが、こちらもあんこがさっぱりしていて、お腹いっぱいでもするっと入ってしまいます。ここでいただける和菓子の良さって食べた後でも胃がもたれずすっきりしてるってことじゃないかしら。飽きがこないから、長い間多くの人に愛されてきたのねと納得したのでした。
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「茂助だんご」 / 中央区築地5-2-1 築地市場 1号館 [食べログ]

お腹もかなり満たされ、最後にお土産も買って大大大満足!初回からこんなに素敵な出会いと美味しいに恵まれるなんて…次回からさらにどんな築地の魅力を見つけることができるのか今から楽しみです。乞うご期待!

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[取材:文] 松井 映梨加

料理などライフスタイル関係の雑誌編集長を母に持ち、幼い頃から美味しい食材に囲まれた環境で育つ。その後アメリカでの留学経験を経て、和食の素晴らしさを再認識。和食が世界遺産として注目を浴びている今、あらためてその魅力を実感し伝えていこうと築地の「美味しい」を探し求めつつ、「築地女子」の仲間を増やすべく絶賛グルメ三昧中!な女子大生。

※編集注・・・この連載は、2014年から新規に単独のコーナーとして立ち上げ、毎月更新していく予定です。
















































































































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