「これまでの世の中にない価値を若者の手で生み出す」ことを目的に、株式会社ドリコムが立ち上げた「Startup Boarding Gate」。2014年8月2日のキックオフからスタートしたこのプログラムの集大成として、2015年1月14日、ドリコム本社内で、40名弱の投資家を集めた最終プレゼン「DemoDay」が開催された。
ドリコムではこれまで、自社の新規事業創出の取り組みとして四半期ごとに行われる社内ビジネスコンテスト「Q-CAMP」や、新卒採用において、入社と同時に起業するプログラム「Startup Boarding」を実施、成果を出してきた。そのノウハウをさらに会社の枠を超えた起業家育成プログラムに発展させたのが、今回のプログラムとなっている。
開催に先立ち今回の趣旨を説明する、株式会社ドリコム 代表取締役 内藤裕紀氏
1) 2~3名の選抜した5~10の学生チームを構成して法人化し、開発期間内にサービスを実装
2) 選抜したチーム1社あたり100万円を資金提供する
3) 制作フェーズにおいて、メンターより、ピポットや改善のためのアドバイスを行う
4) 定期的なイベントを通じて参加者の学習および交流の機会をつくる
5) 最後にDemo Dayを開催し、投資家の前でのピッチにより投資の可否判断を受ける場を提供
●株式会社CodeNext 「モバイルネイティブなライブラリの開発」
モバイル内蔵センサーとコンテンツを連動。例えば傾けたり揺らしたり、その動きに合わせてページ遷移を行ったり見え方が変わったり、モバイルネイティブな表現を提案。
●Scratch株式会社 「継続する健康管理サービスの提供」
アドバイザーとのチャットスタイルでの健康管理で、継続できるダイエットプログラムを提供。
●株式会社カナリアバイシクルコンポーネンツ 「自転車の自動変速機の開発」
自転車版オートマ。ペダルの回転数や個々の特性に合わせた、自動車用変速機「Canaria」の開発。
●株式会社クリエイターズベース 「趣味のキュレーションメディアの提供」
趣味を通して毎日を楽しくするサイト「Hobbee」の運営。趣味に関する情報プラットフォームを目指す
●株式会社ミラー 「CtoC宿泊サービスの提供」
体験や人間関係を重視したホームステイ型宿泊サービス「stay」。地方大学生が就活で東京に来る時、コンサートで遠征する時など、共通の関心などをもとにした出会いを宿泊というリアルで繋げる。
株式会社Liaro 「人口知能による動画キュレーションサービス」
自然言語認識、画像解析などの技術を用いて、オンライン上のあらゆる動画をユーザーの好みに合わせて配信する、動画キュレーションサービスの運営。
今回のプログラムの特徴は、「まだサービスを形にしていない、”全てがこれから”のチーム」に参加対象を絞ったこと。そして実際に株式会社をゼロから立ち上げて進めたこと。
そのためいずれも多くの試行錯誤を重ね、「殆どのチームが途中でプランを一新した」というが、内藤氏自らがかなりの時間とエネルギーを割いて、各チームのアイデアの具現化を推し進めてきたようだ。目先の損得などではなく、純粋に「若者を応援することが好き」な会社だからこそ、実現したプログラムだろう。
今後の流れとしては、「DemoDayを受けて投資家による出資を受けた場合、サービス展開を継続。次のシードラウンドに向けて走ることになる。残念ながら出資を受けず終了する場合は立ち上げた法人を解散する」とある。
今回の各事業案が順調に羽ばたけば言うことなしだが、例えそうではなくても、半年もの間、何もないところから事業を立ち上げる過程を、若手上場経営者の代表的存在である内藤氏から、繰り返し叱咤され手ほどきを受けた経験は、さまざまな形で参加者の身になり、将来への礎となっていくであろう。
「今回はまだ試行錯誤で手法としては、未完成な部分も多いかもしれないが、その評価がどうであれ、また今後もこのプログラムは続けていく」と、内藤氏は力強く締めくくった。
ドリコムの社長のブログ ドリコム「StartupBoardingGate」の実態
2014年07月04日 熱意ある学生を支援する5ヶ月間のプログラム『Startup Boarding Gate』を開催!
2015年01月13日 広報ブログ「Startup Boarding Gate」、いよいよ大詰め!
2015年01月16日 ~ビジコンで世界は変わらない。起業を通じてカタチにするインキュベーションプログラム~ 「Startup Boarding Gate」 のDemoDayのイベントレポート!