「THE FIRST COMPANY 経営者交流会」スピーチメモ (2014/5/15) | Df.netリポート | diamond frontier net
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「THE FIRST COMPANY 経営者交流会」スピーチメモ (2014/5/15)

去る5月15日に開催された、業界第一人者やオンリーワン企業を主体にした少数情報交換会「THE FIRST COMPANY 経営者交流会」。そのゲスト3社のスピーチ内容を、メモ書き的な形で簡単にまとめました。

■ WILLER EXPRESS JAPAN株式会社 代表取締役社長 村瀬 茂高 氏

ちょうど今年が創業20年。最初の10年間は旅行会社としてスキーツアーなどをしていた。その頃はインターネットがなくて、若い人の出会いの場がないので創造しようと思った。しかし、インターネットが広がる中で旅行会社の価値がなくなってきたなと。そこで、いまから10年ほどまえに新しい手法をもって展開していこうと思った。それが高速バスです。

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なぜこんな事をはじめたかというと、10年経って今後の旅行業界の価値ってあんまりないって。今後会社が成長していったときに社会貢献になる事、などいくつか軸を持って展開していった。

大阪の方が、東京に新しいファッションビルができたとき、東京にきたいとおもいますよね。これが、1万円をきる交通手段ができたら、ニーズがあるんだろうと。そういうことででてきたのが、バスだったんですね。色んな地域から東京までがいくらだったら人は動くんだろう、と考えながらやっていった。大都市と地方都市を結ぶ安価な交通手段をつくることが、経済を活性化していく中で絶対に必要じゃないか。

日本にローコストキャリアをつくっていくことが、地方の活性化に必要じゃないか。そういうことで、旅行業で、東京大阪のバスを定時で動かす事は可能かといった。そのときにですね、国交省から出た答えは、道路運送法はバス会社を守るべきで、旅行会社は旅行業法を守るべきであるといわれた。そこで、旅行業を使った高速ツアーバスをつくった。道路運送法は、安全を守る為の法律。お客さんがのりたくなるバスをつくろうと思っても、法律に無い。だから、旅行業法がいい。

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我々は高速バスを今までに載ってなかった若い人たちにのってもらいたい。約この7年間で、東北から本州・九州・四国と110都市を一日201便結んでいる。JR全ての営業台数と、うちの営業台数がほぼ同じ。日本最大級の高速バスのネットワークがこの7年間でできてしまったんですね。両者が欲しいものをつくったことで、需要が顕在化した。

3000万人ぐらいの利用者が増えた。全く新たなお客さんがこの3年間で市場を創造した。お客様目線の、こんなバスがあったらのってみたいをつくったまで。我々の車両は、ターゲットとする人がきまっていて、その人がこんなんだったら乗りたいと思うものをつくっている。

こういった形で、あんなバスだったら乗ってもいいやと思えるものをつくっていった。そして、業界全体の活性化をうみ、一つのイノベーションのきっかけになった。JRバスを含め色んなバス会社が色んなシートをつくり、業界を活性化する事ができた。

ツアーバスも市場を創造するという点ではよかったが、関越道自動車事故がおこり、ツアーバスと路線バスを一本化していこうという動きが広まった。僕も委員としてでたが、安全とお客様がのぞむものを両立する法律をつくろうということで、去年の8月1日から高速ツアーバスと高速路線バスが一本化して、道路交通法が変化した。お客さんがほしいものがいいものであれば、何でもつくれる状態になった。それまでの、硬直した状態がなくなった。

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高速バスもそうなんですけれども、いわゆる地方都市の人口の減少高齢化、それに伴う公共交通機関の維持が大変難しくなっている。そんな中、去年の12月に、地方都市の町づくりと交通を同時に考えていく法律ができた。自治体と交通運送会社が協力して考えている。そんな中、いままでは高速バスをやってきたが、こっから10年は地方都市の交通をやっていこうと思っている。

ちょうど先週、京都の鉄道の運行会社になり、こっから10年はこういった赤字のローカル鉄道を利便性が高いものにして、地元の利用者をふやして、駅を中心とした町づくりをしたい。我々は、しっかりと利益をだして、次に投資するというのを信念としている。今後の地方都市のやり方を今後はやって行きたいと思っている。

日本は、非常に人口密度が高いといわれながら、地方都市の駅を中心として考えると、人が点在している。駅に人が集まっていない。これから、家が減るとさらに点在していくので路線バスが機能しなくなる。なので、駅を中心とした町づくりをしなければならない。郊外中心じゃなくて駅前にもどそう。

年齢の高い方が一人になって、いつまでも運転している。公共交通機関で交通がまかなわれる時代にしなければ。閑散とした駅が、駅のまわりにこういった路線をつくっていくことで、街の雰囲気が全く変わっているんです。アメリカでは成功例がある。国交省も含めて急激にそういう話をしはじめた。これを日本版でどうしていくべきかが、駅を中心にしてマイカーがなくても、移動できるようにしていくことがこれから必要。

Q.消費者の声をくみ上げて、形にするプロセスは?

我々が公共交通機関がお客様のためにと思ってつくっていくのではなく、お客様が本当に欲しいモノを聞いてつくっていった。一日だいたい120通ぐらい、お客様のメールがかえってくる。毎日2人のスタッフが分析している。1つの目的は品質を向上していくため。もう一つはバスに対するあきらめ。バスはしんどいとか、隣に男性が載っていてねむれなかったからなんとかしてほしい。こういったものを集めて商品に使用としている。

女性が奇数グループで載る場合は、女性が必ず隣に乗るようにしている。色んなお客様が諦めてしまっている事を、拾っていくという事をやっている。月に1個必ず大きな事、小さいのは5つやろうときめている。これは何かというと、こういった仕組みの中から月に1個新たなサービスをつくるということをやっている。

Q.リピート率は?採算ラインは?


1回ご利用いただいたお客さんが6ヶ月以内にもう一度乗る確率は67パーセント。我々のお客さんの94パーセントはオンライン予約。初めて我々のところを予約するのは、67パーセントぐらいいる。この67パーセントのうち、はじめて高速バスに乗った人が67パーセント。我々の会社はwebマーケティングを得意としているので、高速バスにはじめて乗る人をつくるのが特徴。競合がなにをやっているか、というよりもお客さんが何をもとめているかを考えている。1回のったかたには、リピーター施策をやっている。

マーケティング部がやっている。採算というところでいうと、僕らで言うと営業利益ベースを30パーセントとおいている。計上利益10パーセントです。乗車率は90パーセント必要。全路線全便を合計して。次に投資するためには、これだけ必要。乗車率を90パーセントにする為にはなにが必要かを常に考えている。常に全路線全便90パーセントを達成している。そのために、マーケティングを30人のスタッフがやっている。一般の路線バス外車では0なので。我々の便でも60〜70パーセントぐらいしかないのもある。なので、最終的には全部を90パーセントにすればいいので、それは仕方ない。我々の利益ベースでいるかいらないか、というのもあるが、お客さんにとって必要か不要かが大きな判断基準。だいたい5年間ぐらいの数字は常にあるので、運賃の上げ下げを検討したりしている。

価格差と売上げの比較を見ていくと、我々のバスと1500円の価格差が出ると、他社に流れる傾向がある。なので1500円だしてもこっちのバスがいいと思われる事を徹底的に考えている。はじめてから7年間は全く運賃を変えてない。しかし、毎年品質をあげている。低価格高品質がどんどんできていく。

※会社情報詳細は こちら


■ 株式会社箔一 代表取締役 浅野 達也 氏

伝統産業の金箔をやっています。参加されている方は、ITや上場を意識している会社が多いと思うのですが、うちは一番それから遠い。本社は金沢、東京では南青山に営業所がある。金沢は京都に似ていると言われています。でも我々は武家文化であり、殿様を喜ばせる為に色んな装飾をしたのが、金沢伝統産業のはじまり。その際に金箔をさまざまな装飾に用いた。

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私は二代目で、母が創業者。伝統産業や金沢において、いまだに男性が幅を利かせている街なので、女性が起業するのはありえなかった。ただ、その当時金箔が伝統産業の材料だった。みなさんが知っているような金閣寺、あるいは蒔絵、各地の仏壇仏具に金箔が多く使われた。金沢の地名が出ずに色んなところに使われているのが金箔の流れだった。しかし箔一は、金箔を付加価値の無い状態でだすのではなく、日常生活を輝かしく楽しくしようと言うコンセプトで金沢箔工芸品という新しい分野をつくった。今は箔一では、工芸品事業、食品事業、観光事業など6つぐらいの事業をやっている。

工芸品が金沢になかったが今は、町中どこでも金箔が見られるようになった。一番最初につくったのが当社。伝統産業は分業で成り立っていて、木地をつくるひと、漆を塗る人などなど全て別の人がやっていて昔はよかったが、今は市場の流れに対応していない。一貫した生産ラインをもっているのは、箔の業界でも伝統産業でも我々だけ。それが箔一の強み。色んな作家やデザイナーが弊社の工場に来ている。何か新しいモノをつくろうというメンバーは、当社にきて、伝統にふれていただく。

箔一商品一覧

僕らしかできないことを提供する事で、全ての百貨店、すべてのところで金箔イコール箔一になればと思った。行政の方もよくいらっしゃっている。伝統産業の継承の仕方について質問をよくされ、伝統をどうやって産業化できるのかときかれる。原価を管理して、マーケティングして、自分でうりにいく、という当たり前のことをしているだけなんですが。

その一つは「NO」と言わない姿勢。色んな方々が弊社に来て、あれできますか?ときかれたら、はいという。考えていれば何かできる。そこで、弊社しか無いデザイン力や技術力ができる。職人は頑固である。というイメージがあるが、お客さんが求めていて、世の中が変わっているならチャレンジしてみようと考えている。技術力を特化して、無理難題全部できる。箔一ができないなら、他の会社でもできないと思ってもらえるようにしたい。

みなさん会社では当たり前にやっていらっしゃると思うけれども、「見える化」が伝統産業にはほぼない。伝統産業の昔の世界では、ノウハウが独り占めされて、それを持っている部下のほうがむしろ偉そうに見えることもあった。弊社は全て見える化し、伝統産業の会社、全事業の売り上げも一目瞭然になっている。日報などの見える化も全部とりいれた。

創業時、新しい製品には業界の反発もあった。箔はお寺とか宗教とかに使うべきだといわれた。こういったその反発もあって、しかたなく工房も自分たちでつくるしかなかった。いまになるとモノを自社で作れるということもそれも強み。

アーカイブプロセスというのもやっていて、お寺の中の重要文化財は年間決められた日数しか見せてはだめなものもあり、あとはしまっておきなさいという基本的な方針。そこで、屏風のアーカイブをつくり、普段観光の方にみせて、本物は博物館に保管するということもやっている。

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食品の業界。金箔は着色料の一部。日本の中では着色料の一部として認可されている。ところが、金箔を食べるというのが一方でありながら、伝統産業の世界では食べるようにつくっていない。今は分かりませんが以前は、工芸品であまったものを集めて、ケーキ屋さんに販売していた。なので昔営業に行くと他社が販売したものに「髪の毛と紙がはいっている」などといわれた。それじゃ業界の信用を無くすと思い、一気に工場もたてなおして、食品専用の金箔をつくった。そのお陰で、切り回しというふわふわっとしたものが売れるようになった。星形みたいなものをつくったりもできる。また、アラザンというのもある。

金箔をたたいている紙があぶらとりがみ。箔一がこれも業界に先駆けて製品化したが、いまでは高級品と言われる殆どの製品は弊社が作っていると思う。

あとは、スカイツリーの内装の金の装飾や、銀座にあるヤマハビルの金の装飾や、九州新幹線の車内とかさまざまな建材提供もしている。特にJRの基準は凄く厳しくて、そこで認められたのは大きな信用と武器になった。

※会社情報詳細は こちら


■ 株式会社メディアフラッグ 代表取締役社長 福井 康夫 氏

店舗店頭における覆面調査や販売促進のお手伝いをしている会社です。全国に約19万人のメディアクルーという、実際の調査巡回のお仕事をお手伝いしていただく方がいて、マーケットウォッチャーというマーケティングシステムも独自開発。覆面調査は調査員が色んなチェーンストアに一般のお客さまのふりをして伺い、調査をしてCS向上を目指す。今年で設立10周年。2012年にマザーズ上場。小規模な上場銘柄だったが、こういうスキームやサービスがあるというメディアフラッグの認知度向上の為に上場を選択した。

大学卒業後、三和銀行に入社して、セブンイレブンに転職し8年ぐらい勤めた。セブンイレブンでは店長業も1年やった。35歳のときにこの会社をつくった。弊社の特徴として、正社員の半分以上が流通業出身。セブン出身者が私を含め8名ほどいて、他にもイトーヨーカドー、ダイエーなど。社長を筆頭に売り場を良く知っている会社だとご評価いただいている。グループ会社を含めると、正社員は400人、パートアルバイト含めて700人。急速に規模を拡大している。

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毎月、覆面調査や販売促進を合わせて全国で15000店舗前後の巡回を実施している。マーケットウォッチャーというソフトを自社で作り、その現場の状況を、スマホやパソコンからアップしてデータベース化している。

全国の登録スタッフ(メディアクルー)については、約19万人の登録がある。競合会社にはいわゆるモニターサイトが多いが、我々はモニター扱いにしてしまうと、本当に役に立てるサービスは提供できないと思っている。そこで、クルーの中から特に優秀な方を抜擢し、約150人のインストラクターを配置して、教育や研修をしている。また、そういった人材を管理する内部コントロールシステムをつくって対応している。

覆面調査を導入している会社は、たとえばコンビニや外食、各種流通チェーンなど。最近非常に多いのは地方銀行で、なんと立ち食いそば屋さんからも依頼を受けている。

弊社のサービスを多く利用いただいている理由の一つは、流通サービス業に対してだんだん一般のお客さまの要求があがっていることがある。リーマンショックや震災を経て財布のひもが固くなり、どうせお金をつかうならちょっとでもいいところで、という想いが高まっている。それが、企業がサービス向上をめざすきっかけになった。

店舗に特化した営業代行。例えば薬品会社の本社の方が、ドラッグストアに営業に行って自社商品の販促や売り場演出をしてくださいとお願いしても、実際にはお店はやってくれないことがある。なので、店頭フォローサービスとして女性を中心にチーム編成し、メーカーの営業代行としてまわっている。

博報堂がいまでも法人の筆頭株主。彼らが企画したプロモーションに対して、店頭での販売促進は弊社がやる、という一つの武器として使ってもらっている。

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会社をつくっても、4期目までずっと赤字で大変だった。元々銀行員だったこともあり、資本金を集めるのが得意で6億ぐらいにはなった。でもずっと黒字にはならず、「いま、インフラをつくっているのでお待ち下さい」とごまかしていた。途中、ある人材会社に株を全部売ってしまおうかとも思ったこともある。サラリーマンを経て35歳で起業したはいいが、子会社の社長でもいいかなあと思っていた。その時、三和時代の支店の先輩、松田公太さんに相談したところ「(会社は売らずに)もっと頑張れ」と言われ、出資までしていただき、立て直していった。

ただ、他の資本をいれても、業績がどんどん悪くなっていく。これが本当にしんどかった。原因は、僕の社長としての責任感の無さ。自分の人生に対する志が低くて、経営理念も適当に作ってしまったし、離職率も高かった。10人ほどいた幹部もいつのまにかいなくなった。

そこで、ブックオフ創業者の坂本社長に相談し、稲盛氏の経営塾(盛和塾)に通い始めた。自分が変わらないと会社がどうにもならないと思い、自分の信念を固めた。一方で、ちょうどその頃に博報堂の資本が入り、信頼も高まった。やっと売り上げが伸びていき、5期目に黒字になった。

特に経営理念をしっかり立てることが、非常に大事だと思った。考え方や情報の共有が全社でできるように、業務日報を入力するシステムを開発し、社員同士がお互いの仕事を確認できるようにしている。私も毎日日報を書いていて、更に一日二時間は社員300人分の日報を読んでいる。

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2004年2月に設立し上場もしたが、設立以来、10年間覆面調査と販売促進以外のほかの事業を一切やっていなかった。しかし、このままだと100万店舗で100億円の売り上げが限界。そこで、流通小売業に特化した事業再生事業を行うことになった。そこで和菓子屋の「十勝甘納豆本舗」や「菓心たちばな」を展開する株式会社十勝を買収して、33店舗の事業再生を去年から始めた。経営再建は本当に大変で、それまでは某再生ファンドが担っていたが、10年ぐらい業績が右肩下がりの会社だった。弊社が入って、やっと上がりはじめた。

また、先日新たなM&Aを発表し、株式会社シアーズというデジタルサイネージを取り扱う会社の買収を決めている。

海外展開としては上海に子会社をつくり、アジアを中心に事業展開している。中国国内では日系企業チェーンの覆面調査や販売促進を行っている。インドネシアではジャカルタに本社がある9000店舗ほどのチェーンストアへ対応しており、覆面調査員が現地スタッフで300人ぐらいいる。覆面調査をしたり、店舗オペレーションのマニュアル作りやコンサルをしたりしている。

覆面調査を導入していただいている企業について、調査を利用して伸びる会社と、形だけやっている会社と二極化する。伸びる会社は、結果を真剣に受け止めて店舗をモチベートする。一般のお客さまに喜んでもらう為にこの店が存在するんだ、という会社の軸ができている会社は、本当に謙虚に調査結果をみて、改善に活かしてくれる。なぜ、この店で私はレジを打っているか、何のために仕事をしているか、という思いを持てているかどうかの違いが大きい。

[スピーチ要約 新居日南恵]

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